スタッフに自己啓発を勧める際の注意したいこと

いまの時代の若い方々には理由や目的が大事です。

例えば、受け答えの返事であっても
相手の顔にフェイスラインを向けて会話することも
先輩の指導を受ける際にメモを取ることも
“どうしてか?”が大事です。

もちろん「新人だから」とか「昔からそうだから」のような、
“昭和チック”な不透明な理由ではなく
いまの若者達が「そっかぁ!」と思えるような具体的な表現が大切です。

育成の際には、どのような行動であっても、新入社員にとってわかりやすい理由や目的を説明しながら、動機付けを施して頂きたいと思います。

また、男性社員への「●●くん」付けは、
朝礼や業務中などオフィシャルの場ではおススメしません。

男性の場合、幼少期から「●●くん」と呼ばれたきた方が多く
社会人になり「●●さん」と呼ばれて、違和感を感じた方も多いはずです。
この違和感がとても大事で、“オトナになったんだ”と思わせるためにも
「●●くん」呼びは、全先輩ができるように癖付けしてあげてもらいたいものです。

さて、よく自社社員のスキルアップや成長を目的とした
自己啓発を促すことがあると思います。
今回はその自己啓発について。
デジタル大辞泉によると
『本人の意思で、自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すこと。また、そのための訓練』
とあります。

私が29歳の時に入社した会社では、
自己啓発という名目で当時の社長より、
提示された本を読み感想文を書くという“指示”が、
数か月に一度ありました。

これがなかなか面倒で、毎回読み切れず(正しくは読まず・・)
同僚の中で結局、「どうだった?」「結論どんな内容?」
というやり取りをして、適当に感想文を書いた次第。
当時の社長がその時に良いと思った文献を上げるため
社員にとって共感できる内容かどうかは
なかなか難しかったことを覚えております。

もちろん後になって、「よかった!!」と思える内容があったことも事実です。
“指示”が無かったら自分の意志では出会わなかった訳ですから
今となっては感謝です。

ただ、その気付きも、
後になって、そういう内容が必要だと感じるほどの
問題が発生したり課題にぶつかったから、
上手くハマった訳です。

そう、自己啓発の本やセミナーなどはクスリみたいなモノなんです!
だから問題や課題にぶつかっていることが、症状であり
その問題や課題をクリアするための手法や考え方が処方箋と考えると
まずは本人が症状をしっかりと認識していないと
(本人が枯渇するほど必要としていないと)
クスリだけ与えても効果効能は無いに等しい訳です。

経営者をはじめ上長の皆さまにお伝えしておきたいことは
部下のためだと考えて自己啓発を促し、本やセミナーなどを
勧めることは大切なことですが、
その内容が、本人が抱えている課題や問題点に合っているか
しっかりと見極めてから勧めてあげて欲しいと思います。

一番最悪なのは
「上司がこの本を読めってうるさいから読まされている」
これではココロには残らない、次の行動のキッカケには成り得ません。

ちなみに部下がぶつかりそうな問題や課題というのは
そんなにバラエティ豊かではなく、だいたい同じです。

大別すると、
①目標達成のための売上関連
②接客や販売コミュニケーションなどお客さまとの関係性
③社内店内の人間関係

いっぽうで処方箋を大別すると
A:手法や技法の習得
B:自己の人間性における改善

これらに分類して、社内で自己啓発の本やセミナー等を
整理しておくとよいです。

そして部下の皆さまがつまづいているなと判ったときに
できるかぎり適切な“処方箋”を勧めることを
おすすめしたいと思います。

まれにBだけに走ってしまい、
肝心な課題解決に意識が向かず
苦しい時の神頼みのように、“逃げ”に走る残念例もあります。

あくまで何が合うか、まさに医者のような気分で
しっかりと診断してあげて欲しいものです。

<レスポンドニュース(2019年4月23日配信)を改編>

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