情報や思いを伝えるためには内容に対する前向きな気持ちの整理が必要

”言霊(ことだま)”という言葉、みなさんご存知かと思います。

デジタル大辞泉では
『古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。
発した言葉どおりの結果を現す力があるとされた』
と解説されております。
まさに言葉に込められた”力”なんですよね。

一方で
”口は災いの元”
『不用意な発言は自分自身に災いを招く結果になるから、
言葉は十分に慎むべきだという戒め』
とあります。

良かれと思った一言が相手の心象を悪くしてしまったり、
言うつもりはなかったものの、
話しているうちに、いろんな想いがつい言葉となって口からポロリ・・・

なんて経験、された方は多いと思います。
お恥ずかしながら”話すこと”を生業にしている私も、
散々失敗しております。
過去を振り返れば、失言の数々です・・・。

人間の口から出る言葉というのは
思いのほか力を持っており
相手を喜ばせたり、やる気にさせたり
傷付けたり、怒らせたり、そして失望させたりするものです。

理想は、相手に響く効果を考え、
口から発する表現をしっかりコントロールした上で
言葉を発せればよいのでしょう。
こう思う全国の店長、副店長そしてマネージャー陣は多いはずです。

ただ、現実はなかなか難しいですよね。
発する側には、自身が抱えている内容の優先順位で、
つい真意が表現やニュアンスに出るものです。
特に業務における焦りやイラつき、ストレスは、
部下に対する賞賛や感謝よりも
ハッキリ色濃く、言葉に乗っかっていきます。

言われる側の部下は、
上司のポジティブ発言よりもネガティブ発言のほうが
敏感に感じ易くなります。

やはり店長、副店長、マネージャー陣にとって、
ポジティブな発言をする場合は
うまくいっているという”安心感”からか
自身が思っているよりも、
”ポジティブな想い(褒めや感謝の意)”は
言葉に乗っかっらないのでしょう。

いっぽうで、ネガティブな場合は、
“不安感”が表現の機微に出易いため
その不安は言葉に乗って相手に伝わってしまうと思います。
それがまさに言霊です。

「どうしてやってないんだ!」
「あのとき、やるって言っただろ!」
「この結果で、どうするつもりだ!」

相手を責めることは簡単ですが、
責められた部下側は、
”ただ責められている”という意味が
”上司の言霊”として伝わり、
伝えるべき本質からズレて解釈される可能性があります。

また、運営や提案における手法や戦略など
行動への指示として伝える場合も
発信する側が、本心で「やろう」「やるべき」「やりたい」という気持ちがないと

“このやり方、今伝えている私自身は、そんなにやりたいと思っていない・・・”

という”言霊”が相手に伝わり
結果として、動機付けにならないことがあります。

いわゆる、『ただ話しているだけ』 です。

『キャリアから言われたから、言ってるんです』
『部長がうるさく言ってくるから、言ってるんです』

この気持ちも言霊として言葉に乗っかってしまうんですね。

店長向けの集合研修の場で
「朝礼で指示しても行動に移さないんです」なんていう
店長の嘆きの声を耳にします。

稀にその店長の朝礼での話し方を店舗にお邪魔して聴いてみると

“あなたのその話し方では、そりゃ誰もやりたいと思わないよ・・・”

と思ったことも何度かあります。

情報や思いを相手に伝える発信する側は
伝える内容に対する自分の気持ちが前向きに整理されていないと
結論、伝わりにくいものです。

だからこそ、
難しい『人に伝える』という行為は
伝える前の整理が効果に差を生みます。

●伝える内容に自分自身が本当に納得しているか?
●伝える内容を自分自身がやりたい、やるべきだと本心で思っているか?
●キャリアや上司が言っているだけで、自分はただ代弁しているだけと思っていないか?

もし、思い当たる節があるときは
自分自身が納得、賛同できるように
整理と確認をしてから
部下に伝えてみてはいかがでしょうか?

あなたの“言霊”が
あなたの部下に良き効果がありますように!

<レスポンドニュース(2020年12月18日配信)を改編>

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