コミュニケーションスキルを駆使してお客様の心を開くために必要な“共感”

『新規でご契約のお客さまは端末代金を割引しますよ!』
『こちらの料金プランにご変更頂くとポイントをがっつり還元します!』
『そろそろガラケー止めませんか?今ならおトクにスマホに変更できますよ!』

新しい端末価格や新しい料金プランを
お客さまに解り易くお伝えするのは一筋にはいかないもの。

“ケータイの料金や契約はややこしい!”という既成概念に
「それが違うんです!」と否定をせず、
その不安心に共感しながら
いかに価値を実感してもらうかが重要ですよね。
どんなに立派なツールがあったとしても
最後はスタッフ本人の“通訳”となるべく説明によって
良し悪しが決まってしまう、ただそれだけです。

ケータイ業界の商材は説明なくして購入契約の意思決定をしにくいもの。
しかも説明なしで意思決定できる人は、
どんどんオンラインショップに流れる傾向にあるのです。

となると来店されるお客さまは説明が必要な人たちであり
“その人たち”に応対しながら、
販売提案の実績を上げるためには、
まずはお客さまである“その人たち”に心を開いてもらい
こちらの説明に興味関心を示してもらうことです。
このセオリーだけは、省くことも、
画一的なマニュアルにすることも、正直難しいと言えます。

理由は、お客さまの“解釈の仕方が千差万別”であり生身の人間だから。
ある程度の傾向性に分別できたとしても、来店されている時点の感情心情によっては
スタッフの話に対するお客さまの理解度が変わってくる可能性が高いと言えます。

その時その瞬間のお客さまの心情を察知して、
こちらの表現方法を変えたり、お客さまの言葉に共感して受け入れたりと
コミュニケーションスキルを駆使する必要があるのです。

「そこまでするのが面倒だ!」なんて言うスタッフも出てくると思いますが、
そんなときに、そのスタッフに諭すべきことがCSマインドなんですよね。

 ※諭す(さとす)
  『目下の者に物事の道理をよくわかるように話し聞かせる。納得するように教え導く』

スタッフ側が伝えたい内容、聞いて貰いたい説明や提案は
相手であるお客さまが
“聞いてやってもいい”
“姉ちゃんの話、聞いてもいい”
“そういうアナタの話なら聞きたいわ”

こう思わない限り、聞いてくれない訳で、
仮に聞いてくれたとしても、それは聞いているフリであって、
本当に聞いている訳でもなく、ウソの相槌なんですよね。
で、キリのいい頃(断りやすいタイミング)に
「そういうのはいいわ(要らない)」と断られるのが関の山。

つまりココロの扉が開いてない状態で、
どれだけ話したとしても“のれんに腕押し”なんです。

では、そのコココの扉を開く方法は?というと、2つあります。

一つは、強烈なインパクトでプレゼンテーションをすることです。
お客さまが、ハッと目を覚ますくらいの表現力です。
イメージでいうとハズキルーペのCMばりの演出で
テレビ通販のデモンストレーションのようなプレゼンテーションです。
ただ、これには“演者側”つまりスタッフ側に相当なセンスが必要です。
よって現実的ではありません。(稀にそれに近いスタッフはおります)

もう一つは、相手のココロの状態に共感することです。
ラジオで言うなら周波数を合わせて放送を聴く。
それが先述の「相手の感情の状態に合わせる」ということです。
これは訓練すれば誰でもできることなので現実的です。

もちろんスタッフによって、訓練しなくてもできる人もいれば
時間のかかるスタッフもおります。
お客さまが千差万別ならスタッフも千差万別。
よって根気よくトレーニングしてあげて貰いたいと思います。

ちなみにCSマインドの話をしましたが、
ショップで働く方々は、販売実績とCSマインドは別と認識されている場合が多いです。

CSは理想、販売実績は現実
CSはキレイ事、販売実績は“おカネ事”
販売実績は最重要課題、CSは二の次。
これが現実ですよね。

もちろんCSと販売は
やれ “両輪!” だの “比例する!” だの
ドヤ顔で理想を語る方のお声もよく耳にしますが
スタッフに伝わるように、現実的な解説ができているケースは、
本当に少ないと言っても過言ではないです。

朝礼や会議のスピーチでは
“お客さまに精神誠意込めてお伝えしていればきっと伝わる”
“私達が笑顔で応対していればお客さまも笑顔になる”
“お客さまの立場になって提案すればご満足いただける”
なんて“キレイ”に話しておいて

その後、実績進捗に入ると
“今日も一人●件、必ず声掛けして獲得するように”
“断られても必ず食い下がって、理由を聞いて、真剣に伝えること”
“誰とは言わないが、この中に提案実践できてないヤツがいる”
と、急に鬼の形相に大変身!

これは両輪?比例?ただの二枚舌じゃないの?
と、スタッフはすさんでいくのです。

以前、夕方のTVニュースで
とあるキャリアの接遇応対コンテストの模様が放送されていました。
出場していたスタッフが
満面の笑みを浮かべながら、
お客さま役にむかって
「◎◎◎◎◎で、もっと笑顔になるご提案をワタクシがいたします!!」(◎◎◎◎◎はキャリア名)

そんなセリフは現場で一度も聞いたことがなく
逆にそのまま言われたお客さまも、ドン引きでしょう。

数年前に店長向けマネジメント研修の中で、
CSの話に触れて解説した際に、
たまたま聴講に来られていたそのキャリアのCS担当の方が
「マネジメントの研修で私達CSの話に触れてくれてありがとう」
と感謝されたことがありました。
感謝されることはもちろん有難いものの、違和感を覚えた次第です。

“CS担当の方はCSのことだけ”
“販売担当の方は販売のことだけ”
この2つの縦軸は、
本来横軸で絡まってなきゃいけないのに
別の軸のままで、動いているのです。

この横軸になるべく表現や説明を
店頭で主役となるスタッフ達に
納得感ある解説ができるように
店側、代理店側で持って頂きたいと思います。

販売接客する相手は生身の人間であるお客さま
マネジメントする相手も生身の人間であるスタッフ
いずれもこちら側の目的を達成する為には
相手の気持ちを読むことは絶必なんですよね。

具体的な手法で成果を出すことも重要です。
しかしそれが“小手先の技”に終わってしまうと何の成果にもつながらず
結局、“販売とCSは別モノ”と捉えられる原因になっているのかもしれません。
その両軸をつなぐべく一つのやり方が
冒頭にお伝えした相手の心情を察知して受け止めすることです。
CSの考え方と実践方法は、ありとあらゆるシチュエーションで
出てきますが、まずはそんなことから。

LINEスタンプで簡単に感情表現することに慣れている若い世代に、
ぜひ生身のライブコミュニケーションの“ハウツー”を、
じっくり身に付けてあげるべく育成するのはいかがでしょうか。

キーワードは“諭す”です!

<レスポンドニュース(2019年3月22日配信)を改編>

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