通信障害が起こると日々の生活にモロに影響を与えます。
先日はD社の通信障害により、200万人以上のユーザーに影響があったとのことでした。
総務省も動き出す大ごとになりましたね。
店頭は緊急で駆け込むお客さまで大変だったようです。
過去にはS社の通信障害でもニュースで路頭に迷うユーザーの
“困ったぁ”という声のインタビュー映像そして都内のショップで
申し訳なさそうな表情でお客さま対応に翻弄するスタッフ達と
そこに群がる迷えるユーザー。
その時は、架空請求の便乗詐欺まで現れて
ダメージになりかねない事故になりましたよね。
システムダウンの事故で言うと
ある都市銀行のオンラインダウン事故
3日間、現金の入出金、振り込み等が全くできない状況になり
約2,500万人に影響が出たそうです。
また、2017年に起こったJRの大規模停電事故では
首都圏を中心に約4万人の利用客に影響が出ました。
そして2016年に起こった全日空のオンラインダウン事故では
復旧までに12時間かかり、こちらの影響は約5万人だったそうです。
私もこの全日空オンラインダウン事故は
バッチリ遭遇してしまい、急きょ他社便に乗り換えて出張先に向かいました。
当日の羽田空港の出発ロビーはそれはそれは地獄絵図のようでした。
あっちこっちのカウンターで怒号が飛び交い、対応に追われる地上スタッフ達。
そのスタッフの方々も聞かされている情報は少ないようで
ほぼパニックのようでした。
このような事故が発生した時に毎回思うのですが、
IT化が進んだ現在では
非常事態におけるスタッフの対応訓練、
しておいたほうが良いかもしれません。
まず大きな声で全体に第一情報を繰り返し伝え続けるリーダー格を店頭に置きます。
大型店であれば何か踏み台になるようなモノに乗り
「誠に申し訳ございませんが、ただいま通信がダウンしており、ケータイが全く繋がらない状況です。
私共も詳しい情報が入っておらず、復旧のメド、時間がわかっておりません。
いまお伝えできることはWi-Fi環境を使って頂くことのみとなっております。
どうかご了承頂きますよう、よろしくお願い申し上げます!
また新しい情報が入り次第お伝え致します。
繰り返しお伝え致します!
ただいま通信がダウンしており・・・」
このようなメッセージを拡声器等を使って繰り返し行います。
一方で、
“私のスマホ、いまこんな状態で、こうなってるんだけど、どうなってるの?”
“仕事の途中で、取引先と連絡取れず、とんでもなく困ってる、一体どうしてくれるんだぁ!”
なんて言うお客さまが、時間と共にどんどん増えていきます。
個別に前段のリーダー格が対応してしまうとキリがありませんし
それ以外のお客さまには、何の情報も伝わりません。
そこから怒号がどんどん飛び始めてパニックになりかねません。
そこで個別対応するスタッフをリーダー格と別に数名おきます。
そして傾聴スキルをいつもの数倍使いながら次のようにお伝えします。
「ご迷惑をおかけしてホン~ットに、申し訳ございません!!
お客さまのご事情は理解させて頂きました!
ただ、私共も詳しい情報が無い状況でして
WI-FI環境での対応しかお伝えすることができない状況です。
その点をどうかご理解頂けないでしょうか?」
こんな感じでしょう。
こんなこともありました。
日本航空が羽田空港で福岡行きを
オーバーブッキングの影響で福岡空港の門限に間に合わず欠航となり
翌朝にかけてパニックに。
さらにはキャッシュレス決済サービス“PayPay”で不具合が起こり
利用不可の状況が繰り返し発生・・・
いやいや、便利になればなるほど起こりうる事象ですよね。
でもその事象の後処理は、やはり生身の人間であるスタッフなんです。
利用客の心境を察しつつ、わかる範囲の状況をお伝えし、できる限りの対応する。
これは本当に客商売の原点であり、IT化、AI化できない部分です。
こういう訓練、ぜひして頂きたいと願います。
ところで、お国は携帯電話の料金を下げろと言っていますが、
便利なものはお金がかかって当然です。
通信障害トラブルを起こさないためにもやはりメンテナンスにはお金をかけてもらいたいものです。
あんまり安くし過ぎたら、国民に影響を及ぼして
もっとエライことになるかもしれませんよ。
携帯電話はライフラインなのです。
<レスポンドニュース(2018年12月17日配信)を改編>