現場が求めているのはお客さまへの具体的な伝え方

ユニクロでエアリズムのマスクが発売された時のことです。
弊社最寄り駅構内にユニクロがあるのですが、
発売日の朝9時には10時オープンにもかかわらず
人だかりができておりました。
あれだけテレビのニュース、情報番組で”告知宣伝”されると
全国各地の店舗に老若男女が押しかけるのも無理はありません。

ただその店舗には初日の入荷すらなかったようで
スタッフが来店客にその説明をしていました。

そこで”事件”が起きました。
60代男性客と70代男性客が
それぞれ別のスタッフに詰め寄っているのです。

「どうして入荷されないんだ!」
「あれだけテレビで宣伝しておいて」
「どうして用意しておかない!」
「詐欺だ!」

まあ、そりゃそうですよね。
ニュースで煽っておいて、
行ってみたら「残念でした!」
と言われたら、気分を害する人が多いでしょう。

そうこうしているうちに
70代男性客のほうがエスカレートしていき
最後は駅構内に響き渡るような大声で

「よこせっ!! 今すぐマスクよこせっ!!」
完全に恫喝です!

思わず、モンスターに化けてしまっているおじいさんに

”よこせ”じゃなくて、”売ってくれ”だろうと、
言いたくもなりつつ、
ただただ、困惑して疲れ果てている若いスタッフに
”頑張って”と祈りながら
通り過ぎた次第です。

どうしてユニクロの本部は
メディアが取り上げたら殺到することがわかっているのに
このような展開方法にしたのだろうか。
シャープのマスクネット販売では直後にサーバーダウンして
お客さまセンターにクレームが殺到したことを反面教師にしなかったのだろうか。

しわ寄せはすべて来店客と店頭スタッフに行き
”あとは店頭現場でよろしく!”的にしか
見えないお粗末な状態。

策は打っていたのかもしれませんが、
結論、お客さまに冷静に対処する伝え方、対応方法をも
店頭スタッフに伝授されてなかったと取られても仕方のない”惨状”でした。

改めて思ったことは
BtoCビジネス
は一筋縄ではいかぬものということ。

もちろんBtoBビジネスが簡単と言っている訳ではありません。

法人取引の場合は、取引金額が大きい分、
提案成約に向けて緻密な計画と繊細な注意を払った商談、など
求められることが複雑でもあります。
ただ、『一般的ビジネスマナールール』と『一般的なビジネススケジュール』に
基づいて互いのやり取りが行えるため
クライアントから「よこせ!!」なんて理不尽なことを言われることは
通常のビジネスパーソンであれば無いと思われます。

それが一般消費者が相手となると
”感情、意のまま”でぶつかって来られるお客さまもいらっしゃいます。
特にケータイショップはライフラインビジネスであるが故
お客さま層をターゲティングすることは難しく
まさに”魑魅魍魎”なところは否めません。
その瞬間瞬間に求められる接客コミュニケーションが
販売、提案、成約に確実に繋がります。
これこそがよく言われる”CSは販売に繋がる”という意味です。
残念ながらキレイ事で片付けられていることも昔から多いのですが。

ただ、お客さま対応において、

”お客さまがきっとこう言うだろう”
”こうするとお客さまは、きっとこう思うだろう”
”こういうタイプのお客さまは、こんな行動に出るだろう”

このように
ある程度は予測はできます。
そしてそれに対して、どう伝えればいいのか?
どう対処して、どう立ち回れば、
やんごとなくスムーズに伝わるのか。
ちょっと考えれば事前に準備はいくらでもできると思います。

どうか各販売代理店、そしてキャリアの方々には
そういう点における育成を現場で活躍される方々に
施して頂きたいと願うばかりです。

ちなみに詰め寄られていたユニクロのスタッフですが
翌日は、ニコニコしながら元気良く接客なさっていました。
どうか、末永く、店頭で活躍されますように!

<レスポンドニュース(2020年7月1日配信)を改編>

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