ケータイ業界経験者の中途採用で気をつけること

ケータイ業界に限らず、業界経験者や職種経験者の採用は
一から教える必要がないため重宝されがちです。
しかし経験者採用してもうまくいかないケースもあるのではないでしょうか。

ケータイショップ経験のある方は、そのショップ経験をある種の”売り”にして応募してきます。
商品知識はもちろんのこと、管理システムの使い方に慣れている、キャリア資格も取得していると
”自分自身を高く売れる!”と思っている方もいるでしょう。

このうたい文句に関してはふつうに考えれば代理店側にとって喉から手が出る存在ですよね。
しかし、なかなか上手くはいかないことが多いようです。

たとえば、なぜ以前の会社や店舗を辞めたのか?
よく聞くのが
『店長のやり方が自分自身に合わなかった』
『会社の方針についていけなかった』
以前の職場における”不一致”に関する問題です。

この問題に関してはよほどの明確な事情、
例えば「残業」「給与」などの条件面が著しく業界平均より低いことなど
わかりやすく低いレベルの労働環境でない限り
同じような”不一致”はまた起こり得ると考えても過言ではないと思います。

この”不一致”とは、具体的にどういうことだったのか、ポイントはどこにあったのか、面接でしっかりとヒアリングする必要があります。応募者の考え方もそれぞれですので、良い悪いではなく、一致するかしないかを把握するためのヒアリングです。

一方で”めでたく”採用となった場合に注意すべきポイントは次の通りです。

①会社の方針、経営者の考え方、他代理店との違いなどの動機付け
②関係各署の組織図や リーダー(チーフ)→副店長→店長→マネージャーなどキャリアアップ等の説明
③配属店のフロアオペレーションルール
④販売スキルチェック(どれくらい売るスキルがあるか)

①②についてはしっかりと導入研修としてレクチャーで時間をかけるべきです。
対象者が例え1名であっても丁寧に時間をかけて伝えて本人と対話をすることが重要です。
また③④については配属店舗の各担当者がOff-JTの場でレクチャーを行うのが妥当です。
特にフロアルール等については各店舗毎に差異があります。
まさに各家庭の台所の調味料の置き場所が違うのと同じです。

こういうことに時間をかけず、つい”経験者だから”と言って
何の施しも無しにフロアに”放り出す”ことは
既存メンバーにも本人にも精神的ストレスを与えてしまうことであると
考えてほしいと思います。

また、最後にこれも忘れずに本人に伝えておくべきです。

『あなたのこれまでの経験は会社も私も評価しています。
また、早くウチのメンバーに溶け込んで欲しいので
”前の店ではこうやってた””前とはやり方が違う”ということは
あなたに意見を求められた時に言うようにして下さいね。
通常の営業、勤務中にこの発言をすると
これまでやってきたメンバーからはよく思われないので』

ちなみに経験者にこんな期待を寄せる場合もあるのでしょう。
『敢えて、新しい風を巻き起こしてもらいたい!』
『前の店舗での経験を活かして”風”をどんどん吹かせて欲しい・・・』
『慣れ切ったウチの店舗の空気を活性化してもらいたい!』

しかし、これはよほど人間力がないとできません。
経験があるといってもイチスタッフができることではありません。
かなり難易度が高いことですので、間違ってもこういった言葉をかけないよう
気をつけましょう。

この言葉を真に受けて実行してしまうと、既存メンバーに対して抗っている人となり
現場に混乱をきたす可能性が高くなってしまいます。

<レスポンドニュース(2016年9月28日配信)を改編>

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