ケータイショップでの出来事です。
スマホケースを閲覧していると
すぐ隣のテーブルから聞こえてる接客の会話。
女性スタッフが60代半ばと思しきご婦人に対して
「タブレットの解約と、あとはなんですか?」と
少々キツめの口調で淡々と質問しているのです。
ご婦人「毎月のヤツ全部いらないんだけど、何が何だかよくわからないし、あなた見てみて」
とオプションの解約を申し出ているようでした。
女性スタッフ「これはウチのオプションじゃないですけど、どこで加入されたんですか?」
ご婦人「●●●●(量販店名)で入れってしつこく言われたから入ったのよ」
女性スタッフ「そうですか。●●●●のオプションは別に止めてもらっていいです。
ちなみに▼▼▼▼のオプションは使ってもらったほうがいいですけど、どうしますか?」
ご婦人「なんかよくわからないから、全部いらないわ!」
女性スタッフ「わかりました。要らないんですね」
女性スタッフがご婦人を責め立てるように意思確認を促しており、
ご婦人もオプションのそもそもの概要、使い方、料金・・・
なにがなんだかさっぱりわからない状況で
目の前のスタッフに「お客さん、、、どうするんですかっ??」と答を急かされて、
思わず勢いで「い、い、いらないわっ!」と返す光景・・・
タブレットの契約もオプション加入も購入時は若い店員にニコニコされながら
入ったものの、よくわからず請求書だけ見て、やめようと聞きに行ったら
まるで、「理解しない客が悪過ぎ!」と言わんばかりにあしらわれるさま。
女性スタッフの立場に立つと目標達成のプレッシャーの中で
何の成果にもなりそうにない客と判断すると、
早く次の応対に入りたいという一心が手に取るようにわかる状況でした。
ご婦人の心を察するのは容易。
一方で女性スタッフのココロを察するのも簡単。
私の目線は辛うじてスマホケースにいっているものの
耳と関心はその二人にいっておりました。
商売の原点は一体何だろうと深く考えるこの事例。
何が足りないか?
「誠実さ」というキーワードがどうしても浮かび上がるのです。
獲得に必死なのはわかりますが、
お客さまの要望や言い分、感情を受け止める行為がないと
結局、お客さまも話を聞いてくれなかったり、
販売提案に対してすぐに断ったりと、結果には結び付きにくいのです。
「急がば回れ」と言いますが、その通りです。
これは”ゆっくりやれ”という意味でもありません。
時間をかけすぎても、お客さまが疲れてしまいます。
簡潔に相手の気持ちを読み取りながら、
しっかりと受け止めて共感する。
コミュニケーションに”誠実さ”が必要ですね。
そういうスタッフ達、日々疲れて目標に追われる毎日です。
会社としては、実績を求める上にさらにコミュニケーション力も求めるのです。
そう求めている店長などマネジメント側にも
「スタッフに対する”誠実さ”」が求められているのです。
”仕事なんだからやってほしい”
”面談でやるって言ったんだから約束通りやってほしい”
この考え方のままスタッフに接していると、
そのスタッフの接客は”誠実さ”が伴わないものとなるでしょう。
部下に誠実ですか?
誠意をもって接してますか?
「やっているつもり」にならないように。
マネジメント側が誠実かどうか、誠意を持っているどうかは、スタッフの接客に表れているかもしれません。
<レスポンドニュース(2017年10月6日配信)を改編>